知の力日記帳

6人の知の力を集めて「生きる」力を説き起こします。

第31回:第1章 個の話 第4話(4)

理屈は何でも良い、何かしたい。
知の共有をしようと6人が集まりました。

知を共有する6人の縁を広げ、6人の経験知を徹底的に共有し、6つの視点から「生きる」力を説き起こします。

どなたもお気軽に。コメントをお待ちしています。

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「生きる」力! ~不可思議な6? 空(くう)の中身~
第31回:第1章 個の話 第4話(4)
生命システムとは何か?
~ 人間の不可思議な能力「オートポイエシス」・・努力と天賦の才? ~


事例3:株式会社ミスミ -「この指止まれ!」毎年、新たにプロジェクト組織を作る会社-

「オートポイエシス」の概念が、柔軟な経営の形態として実際に適用されている3つ目の事例を挙げてみましょう。

【株式会社ミスミのトップメッセージ】
「新事業への投資を決めるときに重要な要素、それは1に「人」、2に「人」、3に「人」、4番目にようやく「市場の成長性」がくると私は思っている。商社であるミスミは、人の有能さによって事業の成否が決まってくる。優秀な人材は、会社のバランスシートには記載されていないものの、まさに最重要の「見えざる資産」であり、企業そのものだと言っても過言ではない。

私は、「高い志」を持ち、自らリスクをとって自分の人生を切り拓きたいと考えている「気骨の人材」に、経営者として育っていく場を提供したい。そのためには、「熱き心」に「戦略性」を加えることがカギになる。私は呼びかける。「この指とまれ」と。男性ばかりでなく、他に活躍の場を見つけることのできない有能な女性にも来て欲しい。

ミスミは男女平等の職場であり、役員やトップに至るまで能力による昇進の可能性はオープンに開けている。

企業は成長しつづけなければならない。成長が止まると組織は腐りはじめてしまうからだ。ミスミはこれからも成長戦略を徹底的に追求し、アグレッシブな事業展開を図っていく。ミスミは、いつの日か経営者になりたいと考えているあなたに、またとない可能性を提供する」(出典:株式会社ミスミ・ホームページ「トップメッセージ」より)


環境の激変する時代、特に従来の日本型の経営システムに課題が生じてきた今日、この課題に対応する選択肢として、次の3つが考えられます。

【従来の日本型の経営システムの課題に対応する3つの選択肢】

  1. 従来型の改善を推し進める。
  2. 全く新しくあらゆる場面でイノベーションを起こす。
  3. ハイブリッド型の従来と明日の経営システムの融合を図る(その企業の業界、市場、顧客のニーズとウォンツに合わせた最適な選択をすればよい)。

株式会社ミスミのケースは、個人の能力に任せる経営の事例。組織の風通しを良くした自立経営による自己組織化の制度であり、日本民族のDNAに基づく伝統と内から湧き出るエネルギーを集結させる「オートポイエシス」の生命システムの成果でもあるといえましょう。