第29回:第1章 個の話 第4話(2)
理屈は何でも良い、何かしたい。
知の共有をしようと6人が集まりました。
知を共有する6人の縁を広げ、6人の経験知を徹底的に共有し、6つの視点から「生きる」力を説き起こします。
どなたもお気軽に。コメントをお待ちしています。
・・・・・・
<< 第1回はじめに(1) < 前回に戻る
第29回:第1章 個の話 第4話(2)
生命システムとは何か?
~ 人間の不可思議な能力「オートポイエシス」・・努力と天賦の才? ~
「オートポイエシス」の概念が、柔軟な経営の形態として実際に適用されている1つ目の事例を挙げてみましょう。
事例1:京セラの「アメーバー組織」
オートポイエシス」や「自己組織化」の概念を経営に適用したのではとわたしたち6人のメンバーが考えている、柔軟な経営をする「アメーバー組織」。有名な京セラを率いていたのが稲森社長です。
KDDIを作り、JAL日本航空の再生を引き受けて社長になった稲森氏は「稲盛人生訓」の神髄!とも言える言葉を語っています。
実際に実践してきた6つの教えです。彼の著書では、プロローグで、「六つの精進」がすばらしい人生をもたらすとしています。
稲盛氏が提唱する「六つの精進」
- 誰にも負けない努力をする
- 謙虚にして驕らず
- 反省のある毎日を送る
- 生きていることに感謝する
- 善行、利他行を積む
- 感性的な悩みをしない
(出典:「六つの精進ーすばらしい人生を実現するために」稲盛和夫著。2010年9月サンマーク出版)
京セラの経営哲学は、稲盛和夫(京セラの創業者)個人の経営哲学であると言われています。それは、日々の仕事や実践を通して得たものであり、また彼の人生について自問自答する中から生まれてきたと言われています。
稲盛氏によると、
「私は、経営や人生の局面において、壁に突き当たり、悩みもがき苦しむとき、そのつど人間として何が正しいかという原点に立ち返ってものごとを考え、その原則に従って行動してきた。
・・・・・集団が機能し、成果を生み出すためには、そのめざすべき方向が明確であり、その方向に集団を構成する全員のベクトルを合わせなければならない。企業であれば、ベクトルを合わせるのは、経営理念や社是と呼ばれる規範である。
・・・・・それは、人として生きる上での基本的な考え方、換言すれば『人間として正しいことを正しいままに追求する』ということをベースとしている」と述べています(出典:『敬天愛人-私の経営を支えたもの-』」稲森和夫著、PHP研究所、1997年5月6日)。